福島県『地域差』浮き彫り 全国体力テスト、きめ細かな対策を

  このエントリーをはてなブックマークに追加 

 スポーツ庁が20日に公表した全国体力テストの結果によると、本県平均は改善傾向にある一方で、同じ県内でも地域差が改めて浮き彫りとなった。県内6地区別の体力合計点は、1位の南会津と最も低い相双・いわきの差が小5女子で6.22ポイント、小5男子で5.76ポイントといずれも昨年度より拡大。避難生活の長期化など生活環境が変化した影響が依然として残っているとみられ、子どもの体力向上には地域の実情に応じたきめ細かな対策が求められている。

 南会津は小5男女、中2男女いずれも1位。県南は小5男女と中2男女、会津は小5男女と中2女子、県北は小5男女、県中は小5女子で全国平均を上回った。相双・いわきは中2男子を除いて県内で最も低く、全て全国平均に満たなかった。

 原発事故後、相双・いわきが下位となる傾向が続いている。こうした現状を踏まえ、県教委は本年度、児童の体力や運動能力向上を図るモデル校に南相馬市の小高小と小高幼稚園を指定。東京女子体育大と連携し、効果的な運動方法などを導入している。

 課題 種目別は上体起こしと長座体前屈の2種目で小5、中2の男女ともに全国平均を下回った。県教委は「動きの持続性や柔軟性を高める授業の工夫が必要だ」と課題を分析している。

 一方、握力や反復横跳び、立ち幅跳びの3種目は小5、中2の男女で全国平均を上回り、本県の児童生徒が得意、不得意としている分野が明確に表れた。

 小5男女、運動時間確保できず

 本県の小学5年の1週間の運動時間(体育の授業時間を除く)は男子が495分、女子が319分で、全国平均より男子は93分、女子は33分短かった。

 原発事故の直後に外遊びを控えたことで、運動が習慣化されていない可能性も指摘され、小5男女は運動時間を確保できていない状況が続いている。このため県教委は3月、日常生活で楽しく体を動かしてもらうための「ふくしまっ子児童期運動指針」を作成。1日60分以上の身体活動の確保を盛り込み、教育現場で清掃や歯磨きの時間を有効活用した運動を推進している。さらに本年度からは縄跳びを推奨し、各学級が跳んだ回数を成長過程としてウェブに記録している。

 一方、中2は全国平均より男子が1分、女子が10分長かった。運動部に所属する生徒は男子が84.1%、女子が63.3%と全国平均より高く、運動時間を押し上げているとみられる。ただ、運動やスポーツをすることは「好き」と回答した割合は男子が60.6%、女子が44.2%にとどまり、中学校でも自発的な運動の意欲を引き出す工夫が求められる。

 このほか、朝食を毎日食べる割合は小5と中2の男女とも8割前後だった。

 小5女子は全国上回る

 本県は小5女子が全国平均を唯一上回った。小5男子と中2男女も差が縮小傾向にある。中2男子は小5だった2015年度に全国平均より0.94ポイント下回っていたが、18年度は差が0.56ポイントに縮小した。