「胃がん」...早期発見が大切 福島で健康講座、テーマ「がん」

 
加藤さん(右)の講演に聞き入る来場者ら

 福島医大と福島民友新聞社は26日、福島市の福島学院大駅前キャンパスで「がん」をテーマとした連続健康講座を開講した。初回は福島医大病院内視鏡診療部部長・准教授の引地拓人氏が「早期胃がんは治ります!治します!~内視鏡でみつけて、お腹に傷をつけずに切除を~」と題して講演した。

 内視鏡のスペシャリストである引地氏は、胃がんは男性に最も多いがんで、女性でも3番目に多いと紹介。1年間で約13万人に胃がんが見つかり、そのうち約5万人が亡くなると指摘した。その上で、胃がんは胃の表面にでき、進行すると虫歯のように深くなると解説。「表面だけの早期胃がんは治る可能性が高く、体への負担が少ない内視鏡手術で治療できる。早期の段階で見つけ、治療することが大切だ」と語った。

 早期発見のための検査については「初期の胃がんはレントゲンでの発見が難しく、内視鏡のほうが約5倍発見率が高い」と述べ、内視鏡検査の利点を指摘した。

 胃がんの99%はピロリ菌が原因で、菌を除去することで胃がんになる確率を下げることができるという。一方でピロリ菌を除菌しても胃がんになる可能性はあることから「ピロリ菌除去を行った場合でも60歳を超えた人は毎年、40~50代は2、3年に1度程度の頻度で内視鏡検査を受けることが望ましい」と呼び掛けた。

 講座は県民の健康増進、意識向上を目的とした福島医大、福島民友新聞社の連携協定事業の一環。第一生命保険の協賛。県内各地で健康講座を開催していく。

 「おやつの適量目安」紹介

 引地氏の講演に先立ち、福島市保健所の保健師加藤明奈さんによる健康習慣のワンポイント講座が行われた。加藤さんは「今すぐできる健康習慣」と題し「健康寿命を延ばすためには運動、栄養、休養のバランスが大切だ」と訴えた。

 加藤さんは本県の平均寿命は2013(平成25)年時点で男性が全国44位、女性が全国38位だと紹介し「男女とも下から数えたほうが早い順位で、もっと寿命を延ばせるはずだ」と指摘した。

 また、福島市の菓子購入額は全国3位であるとのデータを示し「おやつの適量目安は、和菓子で人さし指と親指の輪に入る大きさ、洋菓子で片手の手のひらに載る大きさ、スナック菓子で片手に載るくらいの量」と紹介、会場から驚きの声が上がっていた。