オール福島の健康づくり 37団体・企業が推進組織、新年度に研修会

 

 県民の健康増進を目的とした官民一体の新たな推進組織「健康長寿ふくしま会議」が22日、発足した。福島市で開かれた設立総会には、組織に参画する行政や医療、農業、商工業など県内37団体・企業の代表が出席。健康寿命の延伸と健康格差の縮小に向け「オール福島」で健康づくりに取り組むことを確認した。

 会長に就いた内堀雅雄知事は「健康づくりは楽しく、やると結果が出る。健康づくりの始めの一歩を県全体に広げたい」と呼び掛けた。新年度上期には新組織の第1弾企画として、首長や企業トップを対象とした健康セミナーを開く予定だ。

 新組織は福島医大や県医師会、JA福島中央会、県老人クラブ連合会、県商工会議所連合会、福島民友新聞社などで構成。健康意識の普及に課題を残す中、各団体のネットワークを生かして健康意識の高揚を図るとともに、団体間の連携を強化して健康づくりを戦略的に進める。

 具体的な取り組みとして、県は新年度、県医師会に委託して開業医対象の糖尿病治療に関する研修会を開催。糖尿病の予兆を見つける技術を学ぶことで迅速に専門医につなぎ、重症化を防ぐ。

 県栄養士会との連携では県内のスーパーマーケットの総菜などを段階的に減塩化する取り組みを始める。福島医大健康増進センターによる健康データの分析を踏まえ、効果的な健康対策も検討する。

 組織には活動を下支えする三つの下部組織も設置。「地域・職域連携推進部会」は市町村の保健事業、「健康ふくしま21評価検討会」は健康対策の評価、「健康経営推進部会」は健康経営の普及・啓発を担う。

 設立総会では、副会長に竹之下誠一福島医大理事長、佐藤武寿県医師会長、渡辺博美県商工会議所連合会長、大橋信夫JA福島中央会長を選任。健民アプリの動画を使った健康体操も行われた。