電動歯ブラシ 

 

 目的や病状に応じ選択を

 近年、電動歯ブラシがだいぶ普及してきました。お口の中全体の汚れをしっかり除去するには、それなりの時間と労力が必要ですから、それが煩わしいとか面倒くさい、疲れると感じる方には、電動歯ブラシが楽でしょう。

 特に、何らかの理由で手がうまく使えない方、お子さまや介護が必要な方など他の方の歯を磨いてあげる場合などでは特にそれが顕著です。

 とはいえ、通常の手用の歯ブラシでは汚れが取れないというわけでもありません。普通の歯ブラシでも不便はないし、充分磨けているのであれば、わざわざ電動歯ブラシを購入する必要もないでしょう。

 電動歯ブラシの不利な点としては、本体自体が高価である上、ブラシなどの消耗品が割高で、かつ入手場所が限定されること。持ち運びが制限されがちですから、ご家庭以外での場所、たとえば職場や学校のお昼休みに磨く場合では使いづらいかもしれません。

 値段についてはそれこそさまざまで、必ずしも安いのが悪いとは決して申しませんが、中には「これは歯磨きよりも靴や家財道具のお掃除向きかな」と感じるような代物も混じっています。

 また、虫歯予防、歯周病予防などブラッシングの目的や病状に応じて、歯ブラシの当て方や動かし方も変わってきますから、もし電動歯ブラシに関心がおありなら、どういった物が向いているのか、一度かかりつけ歯科医に相談してからご購入されてはいかがでしょうか。

(県歯科医師会)