妊娠中の歯科治療

 

 安定期なら問題なし

 Q 現在、妊娠中(24週)です。もともと歯の治療を受けるのが怖いこともあり、歯科健診も受けていませんでしたが、最近、穴があいている奥歯が痛み出しそうで、放置できない状況になってきています。ただ、治療となれば、麻酔や薬も必要となるでしょうし、赤ちゃんへの影響も心配です。大丈夫でしょうか?

 A 妊娠中はいろいろな面でデリケートになりやすい時期、赤ちゃんへの影響を憂慮されるのは当然のことと思います。基本的には、24週という安定期であることから、歯科治療をお受けになることに大きな問題はないと思います。不安でしたら、まず、産婦人科の担当医師に現在の状況を伝え、歯科治療を受ける旨をご相談されることをお勧めします。

 特に全身状態に問題なければ、歯科を受診した際、妊娠中であることをお申し出いただければ、一定の配慮は必要ですが、通常の歯科治療は十分可能です。

 まず、診査時にレントゲン撮影が必要になりますが、被ばく量は胎児に対してほとんど問題にならない程度のレベルですし、通常、防護用の鉛入りエプロンを装着して撮影しますので、より安心していただけると思われます。お話から推察しますと、ある程度重症のむし歯の可能性が大きく、麻酔の必要性は高いと思われますが、局所麻酔の使用については、妊娠中でも常用量ならば特段問題はないと思います。

 なお、歯の治療が怖い旨は、素直にお申し出いただいた方が、表面麻酔薬の使用など、痛みの少ない注射や麻酔が確実に効くよう、より一層の配慮をしますので、ご安心ください。

 抗生物質や鎮痛剤の服薬は妊娠中は原則控えるべきですが、症状によっては、比較的安全な薬剤を使用することも可能です。痛みが重症化する前でしたら服薬の必要性も低いと思われます。早めに受診されることをお勧めします。

(県歯科医師会)