上唇・舌小帯の異常

 

 切除が必要な場合も

 Q 乳幼児歯科健診で「上唇小帯・舌小帯異状」と言われましたが...。

 A 口の中を観察すると、頬(ほお)粘膜や舌と歯肉をつなぐヒレのようなものがあります。これを「小帯」と言います。

 (1)上下の唇の内面と歯肉の間にある...唇小帯(2)頬粘膜と歯肉の間にある...頬小帯(3)舌下面と歯肉の問にある...舌小帯、などがあります。頬や唇、舌の位置を安定させるのに存在するものですが、特に大きな存在意義のあるヒレではなく、人によって大きさが痕跡的であったり数が多い場合もあります。

 乳幼児期の歯科健診ではそのうち特に上唇小帯と舌小帯が肥大または必要以上に発達(大きい)しているとチェックされます。上唇小帯は、永久歯列になるまで発達したままだと正中離開(上顎中切歯間にすき間ができる)の原因となる他、小帯がブラッシングの邪魔をして間接的に虫歯発生の原因になります。

 舌小帯は、舌下面からつながっているため、これが必要以上に大きいと舌を前に出すのが困難になり、発音障害を引き起こします。

 このような理由から歯科健診で指摘されますが、現時点で支障のない場合は経過観察を指示されるだけになります。しかし、今後の影響を考えると切除または短縮が必要になる場合があります。その際の術式自体は麻酔をして治療ができるお子さんなら比較的簡単に受けられる程度の治療です。(あくまで外科的治療になりますので担当医と相談してください)

 この他にも聞き慣れない言葉を時々耳にされましたら、お気軽にお尋ねください。

(県歯科医師会)