幼児のむし歯

 

 歯磨きや食習慣見直そう

 近年、幼児のむし歯は減少傾向にあります。平成18年度における3歳児1人平均のむし歯数は、1.8本でした。3歳児のほとんどがむし歯だった20年くらい前を考えると隔世の感があります。

 しかし、平成18年度の1歳6カ月健診では、むし歯のリスクが高いと判断された幼児の割合は全体の67.6%に達していることが県歯科保健対策協議会で明らかにされました。(1)歯磨きが不十分で歯垢(しこう)が多い(2)寝る直前に授乳する(3)哺乳(ほにゅう)瓶でジュースを与える(4)間食の回数が多くだらだら食いをしている--などがハイリスクの要因となります。

 健診ではハイリスクと判断された幼児の親ごさんに対して歯磨きや食習慣に関する指導や助言が行われ、その場では十分ご理解いただいているようなのですが、この数字を見る限り、どうやらそれを実行するか否かは別問題といった方もいらっしゃるようです。

 基本的に、歯科治療は患者さんの理解と協力がなければできないことから、幼児の歯科治療は年齢が低いほど難しくなります。そのため幼児は予防が特に大切なのです。甘味飲食物の摂取頻度を少なくし、歯や口腔(こうくう)を清潔にすることは、他人任せではできません。できるのは親ごさんです。生活習慣の改善とむし歯予防は、「あなた」が主人公なのです。歯科医はそのお手伝いをするだけなのです。

(県歯科医師会)