親知らずは抜く?抜かない?

 

 口腔内の状態で変わる

 親知らずの抜歯と聞くと、まず「大変そう」や「痛い」とイメージされる方が多いのではないでしょうか。確かに歯を抜くのですから全く痛みがないとは言えません。

 ただ、親知らずの生え方によってその大変さには違いがあります。普通に生えている場合はさほど大変ではないでしょう。しかし、歯根が曲がっている場合や真横に生えている場合などは時間を要することもありますし、患者さんも口角が痛くなったり口を開けていることがつらくなるため大変になることもあります。

 ある患者さんから「親知らずを抜くと体に悪い」と言われたがどうだろうか? と聞かれたことがあります。親知らずだから抜くわけではありません。口腔(こうくう)内で親知らずがどのような状態であるかによって変わってきます。

 上下どちらかしか生えていない場合、その部分に汚れが吹きだまりとなりやすいため抜くことを勧めます。大きなむし歯になっている場合や口の中に一部分しか見えていない場合、親知らずがあるために他の歯に悪影響を及ぼしている場合なども抜くことを勧めます。 しかし、上下が生えていてきちんと磨くことができている場合や存在していても口の中に生えてこない場合などは抜くことはありません。

 個々により状況は異なるため、はんらんしている情報に惑わされることなく不明な時は歯科医院の受診をお勧めします。

(県歯科医師会)