歯科と食育

 

 歯と口の健康を大切に

 明治のころに初めて使われたとされる「食育」という言葉を、最近あらためて広く聞くようになりました。

 「食育」とは食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てる「食の教育」のことです。

 食べ物を幅広く豊かに食べるためには、まず歯と口の健康が必要であることを忘れてはいませんか?

 歯科の診療所では、むし歯や歯周病、そして入れ歯が合わないせいで「おいしく食べる」ことが不自由になって困っている人を毎日のように診ています。

 食べ物の知識を得て、バランスよく食べることの大切さを理解していても、食べられなくては意味がないことを歯科医師は日々痛感しているのです。

 「食育」は大人になるまでのことと思ってはいませんか? 生涯おいしく食べるためには、成人以降の体や口の中の変化を理解し、それに伴い食の好みが変わること、食べにくくなるものがあることについても知っておく必要があります。

 そして子どものうちからこのことを知っておくことは、他の世代について考える機会を与え、尊重する気持ちをはぐくむことになります。

 歯科は食べるために口を診ています。患者さん一人一人の食生活についてアドバイスできるのです。

 「食育」の担い手として歯科を利用してください。歯科で行われる治療や食事の指導が、そのまま「食育」につながるのです。

(県歯科医師会)