指しゃぶり

 

 乳歯の歯列不正の原因

  乳歯列の歯列不正や口唇を閉じにくくすることの原因の一つに指しゃぶりが挙げられますが、乳歯の時期、特に1歳くらいまでの指しゃぶりは乳幼児の自然な行動です。

 しかし、3歳を過ぎても指しゃぶりをしている子どもがまだ多くいます。指しゃぶりにはその経緯から大きく二つのタイプに分けられます。一つは、乳幼児からずっと継続している場合です。出生後数カ月から始まった指しゃぶりがやめられずに3歳を過ぎても継続して習癖化してしまっているタイプです。もう一つは指しゃぶりは一度なくなったにもかかわらず、弟や妹の出生や転居などによる環境の変化によって再び復活しているタイプです。

 3歳を過ぎた子どもは友達と遊ぶ機会が増えるに従って社会性が発達し、指しゃぶりが見られなくなっていきます。活発に遊んだ方が指をしゃぶっているよりも楽しいことが分かってくるからです。また、他人を意識して指しゃぶりを他の子どもに見られたくないという感情も出てきます。

 このような子ども自身の自覚が出てくると適当なきっかけとなり指しゃぶりは見られなくなります。また、指しゃぶりの影響を分かりやすく説明してあげると自分からやめることもあります。

 しかし、一度やめて再び指しゃぶりを始めた子どもに対しては、再度始めたときの育児背景を十分に考慮して対処する必要があります。指しゃぶりはやめても他の習癖が出る場合があるのでやめさせ方にも十分な注意が必要です。

(県歯科医師会)