「寄り添う」こと

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 心を開いて主治医と相談

 あるブログに、次の文言が載っていました。

 「年齢という漢字。歳(とし)を表す令の字の隣に、寄り添うように歯の字があります。歳を重ねるごとに歯が大切になるのだよ、という先人の教えです」

 なるほど...「歳を重ねるごとに歯が大切」とは、患者さんからもよく聞かれる言葉ですが、それ以上に「令に歯が寄り添う」という表現に心が動かされました。自分の歯に対する患者さんの思いはさまざまで、長くお付き合いしている私たち、かかりつけ歯科医にも、それなりの重さを伴って伝わってくるものです。

 主治医が検査結果から「この歯はどうも長くないなあ...」と判断し、説明をして患者さんに病態を認識してもらったとしても、患者さんから「それでも、もう少しなんとか...」と強く請われると、主治医はその歯の寿命をできる限り先延ばしする対策を立てなければなりません。しかし「いつまで持ちますか?」と問われても、正確な未来予測は難しいのが人の歯の寿命です。噛(か)み合わせの状態と力、食べ物の好み、生活習慣などその歯を取り巻く、ごく個別的な環境が複雑に絡み合うため予測をさらに困難にしているからです。そのため患者さんにも「なんとかするため」の生活改善の努力と協力をしてもらうことになります。

 こうした医・患共同の「寄り添い」作業が功を奏して、あきらめかけていた歯が、意外にも長持ちしたということが少なくありません。「こんなことを言ったらわがままな患者だと思われないかなあ...」とつい遠慮しがちですが、「思いを伝える」ことは、「わがままを言う」ことではありませんから、心を開いて主治医に話してみることが大切です。納得の歯科医療は、患者さんと歯科医、お互いの"寄り添い"から始まります。

(県歯科医師会)