親知らず

 

 生え方は個人で異なる

 乳歯が生え変わり、すべての歯が永久歯になった段階を「永久歯列期」といいますが、これは第二大臼歯(別名12歳臼歯)の萌出(ほうしゅつ)完了をもって完成します。年齢的にはだいたい12歳以降になります。

 その後、第二大臼歯の後ろに親知らずという名でよく知られる第三大臼歯が17歳以降に生えることが多いのですが、生まれつき欠如している人や上下左右4本存在する人など生え方のパターンはさまざまです。

 現代人の場合、あごの発育が悪いため萌出が困難な場合が多く見られます。正常に萌出してくれれば抜歯の必要はありませんが、正常に萌出せず半埋伏あるいは水平に埋伏している場合は周囲に炎症が起きやすく、多くは抜歯の適用となります。抜歯の時期については、20歳前後の組織の修復能力の高い時期がよいと思われます。

 また、親知らずはトラブルメーカーとしても知られ、歯並びにも悪影響を及ぼす場合があります。例えば親知らずが原因で前歯がかみ合わなくなったり、第二大臼歯を傾斜させ奥歯がきちんとかみ合わなくなったりして、顎(がく)関節症を誘発する場合もあります。

 このような場合は、抜歯の適用となりますが、あごの発育が悪く上あごの親知らずの抜歯が困難な場合は、手前の第二大臼歯を抜歯して親知らずと入れ替えることもあります。

(県歯科医師会)