歯や顎のために

 

 かみしめ癖、歯ぎしり注意

 歯や顎のために、「よくかんで食べましょう」といいます。その通りなのですが、勘違いされやすいのが食べていないときの「かみしめ」です。

 本来、人が安静にしているときは「安静位空隙(あんせいいくうげき)」といって、上の歯と下の歯が触れることなく少し離れているのが正常な状態です。

 忙しいときや大変なときに「歯を食いしばって頑張る」とよくいわれますが、食いしばり過ぎると、虫歯がなくても冷たいもので歯がしみる知覚過敏や歯が欠けるほか、詰め物やかぶせ物が取れたり、歯周病が進んだりといったさまざまな誘因にもつながります。

 かみしめ(クレンチング)や歯をカチカチ鳴らす(タッピング)、歯ぎしり(ブラキシズム)などをまとめて「パラファンクション」といい、同じような弊害があります。

 ストレスを軽減するものとして必要な面もあり、全てをなくすことはできませんが、かみしめる癖のある人は注意した方が良いでしょう。

 ただし、重いものを持つ場合や力を入れるとき、スポーツをするときなどは、かまないと体を壊したりする場合もあり例外です。また、歯ぎしりがある人は、かかりつけの歯科医院に相談してみるのもお勧めです。

(県歯科医師会)