永久歯生える時期

 

 歯並び注意深く観察必要

 永久歯が生える時期は、乳歯の場合と同様にかなりの個人差があります。約1年の遅れはしばしば見られますが、特に問題はありません。乳歯に重度の虫歯や外傷などがあった場合には、永久歯が生えてくるのが遅れます。

 乳歯から永久歯に生え替わる時期(5歳6カ月ごろから11〜12歳)を「混合歯列期」といいます。下の前歯に続き上の前歯が生え替わる「交換期」では、4本の永久歯が扇形に開いた特徴的な歯列を呈することが多く、"みにくいアヒルの子時代(ugly duckling stage)"とも呼ばれています。

 その後の顎骨の成長や永久犬歯の萌出(ほうしゅつ)などに伴い、徐々に異常が解消されていくため、それほど心配はいりません。また、臼歯部は乳歯よりも永久歯の方が小さく、交換に伴い余剰なスペースが生じるため、このころにはかなり歯列は整ってきます。

 しかし、将来問題となる歯並びやかみ合わせの異常の前兆であることもあります。歯科医師と相談して注意深く観察していくことも必要です。

 混合歯列期は、小学校入学から卒業するころまでの時期とも重なり、精神発達や知的発達など、あらゆる面でまさに大人への適応の時期ともいえます。みにくいアヒルの子時代(混合歯列期)を経てどのような成鳥(永久歯列期)となるのか楽しみです。

(県歯科医師会)