乳歯の役割

 

 かむことで顔の成長促す

 今回は乳歯の役割についてお話したいと思います。お子さんやお孫さんの歯が生え始めて、喜びや感動を覚えた方もいらっしゃることと思います。最近は抜けた乳歯を収納する専用のボックスまでもが存在し、へその緒のように保存する方もいらっしゃるようです。

 その乳歯ですが、単に子どもがご飯を食べるだけに使用するだけでなく、いろいろな役割が存在します。

 一番の役割は、ご飯をよくかんで食べることにより健康な体をつくるということは皆さんもご存じかと思います。

 しかしながら乳歯が健全な永久歯をつくることはあまり知られておりません。乳歯でよくかむことにより顔や顎の成長を促進させます。

 また、健康な乳歯は永久歯の生えるスペースを生え替わりまで確保します。

 近年、歯並びに不安を覚え来院される方が増えたように思われます。もちろん歯並びの原因は乳歯のむし歯だけではありませんが、一つの原因になることは確かです。残念なことにこのような役割があまり知られていないため、乳歯は生え替わるからむし歯になっても痛くなければ大丈夫と思い、治療が遅れるケースもあるようです。

 乳歯の生え始めたころの感動を忘れず、その役目を終え、生え替わるまでぜひ大切にしていただければと思います。

(県歯科医師会)