高齢者のお口のケア

 

 本人の力を最大限生かす

 年を取ると、歯が悪くなるのは、当然のことと思いがちではありませんか。

 しかし、毎日のお口のケア(ブラッシング)で、歯が悪くなることを防ぐことができます。

【自立した方のお口のケア】

 年齢とともに歯肉が下がり、歯の根が露出してきます。この露出した部分は歯垢(しこう)(歯の汚れ)が付着しやすく、磨きにくいため、むし歯になりやすい部位です。また、磨き残りができやすいため、歯肉の腫れを悪化させる原因にもなります。

 〈1〉持ちやすい太めのハンドル〈2〉歯肉を傷つけない軟らかめな毛先の歯ブラシ〈3〉むし歯予防のためのフッ化物配合歯磨き剤の使用--など、工夫が大切です。

【一部または全介助の方のお口のケア】

 本人の持てる力を最大限に生かすことが大切です。介護者が何でもしてあげてしまうと、本人の自立力を摘んでしまうことになります。

 〈1〉本人が座ることができれば、30度から40度の角度で起こすと疲れにくく、誤嚥(ごえん)が防ぎやすくなります。〈2〉ガーゼなどで歯と歯の間や歯肉を拭いてあげます。誤嚥を防ぐために、後ろから前へ拭いてあげましょう。〈3〉ブラシは軟らかく小さいもので、奥から手前に磨いてあげます。

 お口は健康の入り口です。おいしく食べるためにも、毎日のお口のケアを大切にしてください。不安なことがありましたら、かかりつけの歯科医院や地域歯科医師会までご連絡ください。

(県歯科医師会)