入れ歯で困った時に

 

 気軽に何回も調整相談を

 成人の歯科健診に行った時に、歯を抜いたところがそのままになっている方がいます。「入れ歯は持っていますか?」と聞くと「持ってはいるが、面倒で」「前に作ったが、入れると痛くてしていない」「使わなくても食べられるから使っていない」などと答える方がいます。

 何回かこのコラムにも出ていますが、歯がないままにしておくと残っている歯の負担が増え、しばらくたってから他の歯に障害が出てきたり、かみ合っていた歯が伸びてきて、あごの動きを無意識のうちに阻害したり、歯が寄ってきてかみ合わせが変化したりしてしまいます。

 また、総入れ歯の場合も見栄えが悪くなることより、食べ物をうまくかめなくて消化器系に障害が起こったり、体にうまく力が入らず腰などに負担がかかったりします。痛かったり、ゆるかったりしないように、またよくかめるように歯科医師は力を注ぎますが、口の中は千差万別で入れ歯を作るのが難しい方もいます。

 さらに、診療室ではピッタリでも、食べる時のかみ方や歯ぐきのやわらかさ(硬さ)、食べていない時のくいしばりの癖などで当たって痛くなったりします。調整して解消することが多いのですが、1回で問題がなくなることもあれば、調整に数回かかる場合もあります。

 「合わないというのが、言いにくい」という方もいるでしょうが、まずは作ってもらった歯科医師に気軽に相談してください。

(県歯科医師会)