肺炎の原因は歯周病?

 

 禁煙と口腔ケア心掛けて

 歯周病、いわゆる「歯槽膿漏(のうろう)」は20歳を過ぎれば大なり小なり、誰もがかかっている病気です。時には重症化したり、65歳を超えた、いわゆる高齢者になるとさまざまな問題を引き起こします。

 中でも肺炎は、その多くが歯周病の原因菌による感染症であることが分かっており、特に寝たきり状態の場合、高頻度で誤嚥(ごえん)性肺炎を引き起こします。最近ではさまざまな呼吸器疾患にも悪影響を与えていることが分かってきました。慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)なども歯周病との関連があるものの一つです。

 COPDは、いわゆる「たばこ病」とも呼ばれ、喫煙歴が長い40代以上に多く見られ、たばこなどの刺激により気管支が炎症を起こし、呼吸がしにくくなる病気です。

 一方、歯周病にとってもたばこは有害で、歯肉の抵抗力を弱め、炎症を起こしやすい状態とし、細菌が増えやすい環境を作り上げます。このように増えた細菌は、誤嚥性肺炎の原因菌となり悪循環を起こします。

 このようにCOPDも歯周病もいわゆる「たばこ病」に分類される病気ですが、禁煙を心掛け、歯周病の管理を怠らないようにすれば、そのリスクを下げることができます。その管理の多くを占めるのが口腔(こうくう)ケアです。お近くの歯科医院に相談し、早めに口の中の健康状態をチェックし、積極的な口腔ケアを心掛けましょう。

(県歯科医師会)