歯科用CTの普及

 

 被ばく線量

限りなく低い

 本県では何かと放射線被ばくに過敏になっている方も多いと思います。最新の画像診断には歯科用CT(コンピューター断層撮影)が用いられるようになってきました。歯科用CTの一般の診療所への普及の背景には、被ばく線量を限りなく低く抑えることに成功したことが大きいのです。

 では、どのくらいの被ばく線量なのでしょうか。最近の機種では69マイクロシーベルトで医科用CTの50分の1以下、胸部エックス線が50マイクロシーベルト程度であるのを考慮すると、かなり安全な被ばく線量に近づいたことがお分かりいただけるかと思います。

 歯科用CTによって何が分かるのでしょうか。顎の骨の中の状態を細かく精密に確認することが可能になります。従来のエックス線では1本に写る歯根も、実は内、外と2本あります。複雑に曲がる歯根やその中にある歯髄の形状も、どの方向にどれくらい曲がっているか確認できます。うみができている部位腫瘍の大きさも正確に確認できるし、顎の中に埋まったままの親知らずの抜歯には大変有効です。

 子どもの撮影には賛否両論あるかもしれませんが、歯並びの状態を萌出(ほうしゅつ)前に確認することができ、矯正歯科の診断には欠かせないものになります。何よりも、医科用CT写真を見せられても、見慣れた方でなければ診断は困難だと思いますが、3Dの立体画像により、顎の骨および口の中を再現できるので、素人である患者さんにも実際に見て、理解が得られるものになってきました。

 また、条件によっては、保険での適用も可能な場合があります。

 まだまだ普及率は低いですが、導入が始まっています。

(県歯科医師会)