妊娠前に歯科検診を
リスク回避に管理が重要
今年は風疹(ふうしん)が過去最悪のペースで流行しており、NHKなどの報道機関では繰り返しワクチンの予防接種を呼び掛けています。
特に妊娠を希望している女性は、医療機関で風疹の抗体の有無を調べ、抗体が無ければ予防接種を受けることが推奨されています。妊婦が感染すると先天性風疹症候群の赤ちゃんが生まれることがあるからです。
それでは、口の中についてはどうでしょう。女性の一生の中で妊娠中は女性ホルモンの影響により、むし歯をはじめ口の中のトラブルを起こしやすい時期といわれています。
口の中にむし歯や歯周病があると、その原因菌の出す炎症物質が、早産や低体重児出産のリスクとなるだけでなく、母子感染で生まれてくるお子さんのむし歯のリスクも高めることになります。妊娠前から予防や治療をして、妊娠中も口の中をきちんと管理をすることが重要です。
よく「子を産めば歯を失う」とか、「妊娠・出産時にカルシウムが多く必要で歯が弱くなった」と聞きますが、それは単に口の手入れの怠りが原因です。
妊娠を希望される方は、ぜひ、歯科検診を受け、むし歯や歯周病などの有無を調べると同時に、予防の正しい知識と方法を、生まれてくるお子さんのために身に付けましょう。
(県歯科医師会)