補綴・歯科技工

 

 正確な情報基に分析判断

 【情報】〈1〉あることがらについてのしらせ〈2〉判断を下したり行動を起こしたりするために必要な知識(広辞苑)

 診断をするためには患者の情報の発信は不可欠です。問診、診察、そして諸検査のデータの情報を収集し分析を行い、その診断によりいくつかの治療法から選択します。

 歯科の場合、さらに情報を必要とします。入れ歯やかぶせ物をするときの型取り(印象採得)やかみ合わせを決めること(咬合(こうごう)採得)です。これらは入れ歯やかぶせ物(補(ほ)綴(てつ)物)を作製するために必要な、口の中の状態、またはかみ具合などを口の外に再現するための情報収集です。そして、歯科技工の駆使、精密な作業工程を経て技工物といわれる入れ歯やかぶせ物ができるのです。

 情報は正確でなければなりません。曖昧で不明確なものは混乱を招くだけです。歯科技工も同様で、わずかな情報伝達の誤差は補綴物の不適合を生じさせます。歯肉の炎症、腫れ、出血そして歯の周りや粘膜の汚れなどが微妙に型取りに影響を及ぼすのです。

 また、印象採得の材料は軟らかい物が化学反応により一定時間で硬化します。この時に動かしたりすればその型は不正確な再現物になります。

 患者から発信された正確な情報、的確な収集そして適切に分析判断し最良の行動を起こす。これが補綴・歯科技工なのです。

(県歯科医師会)