歯周病の予防

 

 歯ブラシでの手入れ大切

 歯周病は歯に付着したプラーク(歯垢(しこう))や歯石が原因となって起こる感染症です。原因となるプラークは、白っぽい粘着性の沈着物のことで、多くの細菌とその産生物から構成されています。口の中は食べかすなどの栄養が豊富なため、プラーク中の細菌が大変繁殖しやすくなっています。

 こうしてできたものはバイオフィルムと呼ばれ、台所などのヌルヌルした汚れと似ており、強固に歯に付着し洗口剤などの薬品だけでは除去しにくい状態になります。従って、歯周病を予防するためには、日頃から歯ブラシなどでプラークをしっかりと除去することが大切です。

 歯磨きを怠ると歯肉に炎症が起こり、少しの刺激で出血しやすくなります。そして歯周病の進行とともに細菌が増殖すると、糖尿病や心疾患、誤嚥(えん)性肺炎、低体重児出産などのさまざまな全身疾患を引き起こします。

 歯周病は全身疾患と密接な関係があることが明らかになっており、これを予防するためには歯の表面や歯と歯の間、歯と歯肉の境などに行き届いた歯磨きが必要です。

 しかし、磨けていると思っていても不十分なことがあります。歯科医師や歯科衛生士による自分に合った歯磨き指導を受けることも効果的です。口の中の健康だけでなく、全身的な健康のためにも、歯ブラシでの日頃のお手入れを大切にしましょう。

(県歯科医師会)