歯の役割

 

 消化を助ける大切な一部

 よく「悪いのは頭と歯だけで、体はいたって健康です」という人がいます。冗談であることは分かるのですが、歯が体の大切な一部であることを忘れてしまってはいないでしょうか。

 歯や口は胃や腸と同じ消化器官のひとつで、歯で食べ物をかみ砕くことは、食べ物を細かくして胃や腸での消化吸収を良くするために必要な過程です。

 ところが歯が悪くなると、物をかみ砕く力はいっぺんに衰えてしまいます。そうなると消化吸収がうまくいかなくなり、胃腸を悪くしたり、十分な栄養が取れずに体力が低下したりします。

 歯が丈夫な人は体も健康なことが多く、丈夫な歯できちんとかんで食事をすることが大切なことがうかがえます。

 歯やかみ合わせを悪くするむし歯の原因は、口の中にすみ着いているストレプトコッカス・ミュータンスという細菌で、この細菌が口の中に残った食べ物を分解して酸を作り、作られた酸が歯の硬い組織を溶かしむし歯が起こります。

 はじめは歯の表面のエナメル質がおかされ、そのままにしておくと象牙質、さらに歯髄(神経組織)へとむし歯が進みます。むし歯が起こりやすいのは、主に〈1〉奥歯のかむ面の溝の部分〈2〉歯と歯の間の部分〈3〉歯と歯ぐきが接する部分です。こうしたところには食べ物のカスがたまりやすくむし歯が起こりやすいのです。

 むし歯を放置せず歯を大切にし、体の健康を維持しましょう。