喫煙と歯周病

 

 禁煙でリスク約4割減少

 喫煙は肺がんをはじめとする様々(さまざま)な病気の要因となり、からだに悪い影響を及ぼすことは知られていますが、口の中に及ぼす影響としては、主に歯周病や口腔(こうくう)がんなどが挙げられます。特に歯周病は、たばこを吸う人は、吸わない人と比較して約2.9倍なりやすくなるともいわれており、たばこは歯周病にかかる危険因子となっています。

 たばこの煙には200種以上の有害な物質が含まれており、中でも「ニコチン」と「一酸化炭素」の成分が特に口の中に影響を与えます。

 「ニコチン」は血管を収縮させる作用があるため、歯肉に酸素や栄養が届きにくくなり、その結果歯肉からの出血や腫れなどの症状が出にくくなります。そのため自身での歯周病の発見が遅れ、治療の開始が遅れることにつながります。

 また免疫細胞の働きが低下したり、傷を治す働きを抑制してしまうため、歯周病の治療に対して反応が悪くなり、治りにくい状態になってしまいます。

 もう一つの有害物質である「一酸化炭素」は、歯周ポケット(歯と歯肉の境目にある溝)に酸素を届きにくくさせてしまい、酸素を嫌う歯周病菌が増殖しやすい環境をつくってしまいます。

 このように、たばこは口の中に様々な影響を及ぼしますが、たばこを吸っている人でも、禁煙することで歯周病のかかりやすさは約4割も減少するといわれています。

 歯周病のリスクを減らし、自分の大切な歯を守るためにも、ぜひとも禁煙に取り組みましょう。(県歯科医師会)