栄養改善と歯科治療

 

 支援のチームに積極参加

 栄養は食から得られます。食はかむことから始まります。かむためには歯が必要です。むし歯になると、かむことができなくなり、食が取れなくなります。食が取れなくなると栄養を得られません。健康な方にとっては当たり前の話です。

 しかし、さまざまな疾患や事故などで、ひとたび入院し重症となると、歯があっても栄養が取れなくなります。栄養が取れなくなると、病気は治りづらくなり、入院期間は長くなります。

 そうならないために、多くの病院には栄養をサポートするチームが存在します。それらのチームには歯科の参加が望ましいとされています。入院し重症化すると、口からの食が得られなくなり、さまざまな機能の低下に伴い、口の中は汚くなっていきます。口の中が汚くなると、粘膜は荒れ、さらに口から物が取れなくなります。

 口腔(こうくう)清掃をすることによって、それらが改善されることは分かっていました。しかし、病気になる前から歯がなかったり、むし歯があった方にとっては、口腔清掃をしただけでは良くなりません。そのために、最近では可能な限り、積極的な歯科治療の介入が推奨されるようになってきました。

 このように今の歯科医療は、全身的に健康な方だけではなく、さまざまな状況下において、口腔環境が悪くなった患者さんに対し積極的に対応する時代となっています。
(県歯科医師会)