要介護者の口腔ケア

 

 安全で簡単な方法知って

 病気などで寝たきりとなり介護が必要になった場合、その生活様式は大きく変わります。自分で歯を磨くなど口腔(こうくう)の管理が困難なことが多くなります。口腔ケアは単に歯や歯ぐきのためだけではなく、全身の疾患の悪化を防ぐ大切なケアです。口の中に食べかすなどが残った状態が続くと肺炎になりやすくなります。

 介護者の日常の時間・精神・経済的な負担を少なくするためにも、安全で簡単にできる要介護者のための口腔ケアの方法を知ることが重要です。

 まずは道具をそろえましょう。やわらかめの歯ブラシ、先がスポンジなどで加工されているブラシ、できれば舌用のブラシもあるといいでしょう。そのほか、小さめの洗面器、コップ、口の中への給水のためのノズルが付いた水差し(または霧吹き)、タオル、エプロンを用意します。

 次に大切なことは、体位の設定です。ベッドを90度起こすのが理想ですが、難しい場合は40度から60度起こします。片まひのある場合は横向きにしてください。

 はじめに水(できればうがい薬)に浸し軽く絞ったスポンジブラシで口の中の大きな汚れを取ります。次に舌ブラシで舌を奥から前に軽く清掃します。次に入れ歯や歯を歯ブラシで清掃します。自分でうがいができない場合は、最後にガーゼなどで拭ってあげるとよいです。

 最低でも1日1回はケアをしましょう。なお、分からないときや困ったときはかかりつけ歯科に相談してください。(県歯科医師会)