人工と天然 放射線は同じ 

 
人工と天然 放射線は同じ

 今回の原発事故後、セシウムやストロンチウムなどの放射性物質の名を「初めて」耳にされた方も多いのではないかと思います。しかしながらこれらは、今回の事故で「初めて」私たちの生活環境中に出現した人工の放射性物質ではありません。

 チェルノブイリ事故や大気圏内核実験によって、全世界に何度もまき散らされてしまったという事実があります。特に数百回の核実験が行われた1960年代には、多くのセシウムやストロンチウム、プルトニウムなどが全世界にばらまかれ、今もその残存が世界中で土壌や食べ物から確認されます。

 ただし、まき散らされた人工の放射性物質と、もともと自然界に存在する天然の放射性物質。放射性物質の名前は異なっても発せられる放射線は同じで、受ける体からすれば天然と人工を見分けることができません。健康への影響としてはその放射線の「量(線量)」が問題となります。