リスクが高くなるとは?

 

 生活習慣や感染症、大量の放射線など、さまざまなものが「がん」の原因となります。喫煙による肺がんはその中で最も知られているものの一つだと思います。

 ただややこしいことに、「喫煙は肺がんになるリスク(可能性)を高める」ということは、たばこを吸っている人は吸っていない人に比べて肺がんに数倍なりやすい―ということであり、たばこを吸えば必ず肺がんになる―ということでも、たばこを吸わなければ決して肺がんにならない―ということでもありません。

 放射線も、大量に放射線を浴びる場合、浴びない場合に比べて「がん」になる可能性が高くなる―ということは、少量でも放射線を浴びれば必ず「がん」になる―ということでもなければ、放射線を浴びなければ何も病気にならない―ということでもありません。リスクが高く(低く)なることと、実際に病気になる(ならない)ことは同一ではありません。