甲状腺、身体機能を活性化

 

 被ばくの影響に関して、甲状腺という言葉が度々登場します。

 そもそも甲状腺とは何なのでしょうか。

 甲状腺は首の前側、のど仏のすぐ下にあり、蝶(ちょう)のような形をしています。重さは20グラム弱と小さな臓器ですが、われわれが生きていくために必須の「甲状腺ホルモン」を作ります。甲状腺ホルモンは食事の中に含まれる「ヨウ素」を原材料にして作られますが、身体の機能を活性化し、新陳代謝を活発にする役割を担っています。

 ただ、身体を活発にするからといって、ホルモンはたくさんあれば良いということにはなりません。その量は脳から厳密に調整されており、(バセドウ病など)多すぎると代謝が活発すぎて動悸(どうき)や息切れ、疲れやすくなったり、逆に(橋本病など)少なすぎると代謝が落ち込み、むくみ、気力の減退、寒がりになったりすることがあります。

 私たちの身体でなくてはならない臓器の一つです。