同量なら長期間が負担小

 

 放射線を浴びることで、これからの世代に影響があるのではと心配される方がおられるかもしれません。しかし、今回の事故による放射線によって、次世代への遺伝的な影響を危惧しなければならない状況には全くありません。

 前回、広島・長崎での原爆投下後、今回の事故と比べて放射線を浴びた量が桁違いに多い場合であっても、生まれてきた世代(被爆2世)には遺伝的な影響が見られなかったことを紹介しました。
 加えて放射線は、同じ「量」であれば、短期間より長期間かけて浴びる場合の方が身体への負担は小さくなります。身体は放射線によるダメージを治すことができるからです。たくさんのお酒を一気に飲むのと、時間をかけてちびちび飲むのでは、どちらが危険かは明白です。

 原爆投下の際には、爆発とともに一瞬で大量の放射線を浴びました。一方、今回の事故後はそうではありません。原爆の場合に比べ、放射線を浴びる量が桁違いに少ないことに加え、一瞬で浴びてもいません。このことも、今回の事故によって遺伝的な影響を考えなくてよい理由の一つです。