予防注射が一番の対策
【インフルエンザの伝染形式・診断は】咳(せき)やくしゃみでウイルスが伝染、伝染後1〜3日で症状が出現し、症状のある期間は周囲の人へ伝染します。診断は症状やインフルエンザウイルス検出キットで判断します。
【インフルエンザの治療は】インフルエンザウイルスそのものに作用する経口用と吸入用の薬があり、どちらの薬も1日2回、5日間服用で、発病後2日以内に服用すれば症状を軽くします。
解熱剤を使用するときは、小児ではアセトアミノフェンを使用し、副作用の観点からアスピリンは禁止で、ほかの解熱剤も使用しないことになっています。
肺炎や気管支炎を併発した場合は、抗生物質を投与することもあり、殊に高齢層や慢性の病気の持病者は、肺炎や細菌感染症を起こし、重篤に至ることが多いです。
また、一般的な治療としては登校を禁止し、十分な栄養や水分を摂取し、安静保温を心掛けることです。
【インフルエンザの予防は】予防は何といっても予防注射(ワクチン)が一番です。ワクチンは、その年ごとに、その冬に流行すると予測されるA型2種類、B型1種類が詰められています。
ワクチンの注射量は13歳以上は0.5ミリリットルを皮下に1回、前年受けていない人は2回を勧めます。小児においては1歳未満は0.1ミリリットルを2回、1歳から6歳未満は0.2ミリリットルを2回、6歳から13歳未満は0.3ミリリットルを2回、1〜4週間空けて皮下に注射します。効果は1カ月後から出現し、約3カ月持続するので、毎年10月から11月に注射することが望ましいとされています。
【日常生活におけるインフルエンザ対策】流行時期には人込みを避け、特にくしゃみや咳をする人を避けて、マスクの着用、うがいや手洗いの励行が大事です。自分が罹(かか)ったら外出は控え、咳エチケットを守ってください。
(県医師会会員・郡山市)
=次回掲載11月5日
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