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 【  〔 感染症に備える 〕TOP 】
感染症に備える
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〔 10 〕 三浦義人 医師    
【 水痘ワクチン 】
頑固な神経痛伴うことも

 【感染した後、体に潜むウイルス】水痘は一般的には「みずぼうそう」と呼ばれ、水痘・帯状疱疹(ほうしん)ウイルスの初の感染によって発症します。患者は一年中見られ、保育園や幼稚園での流行を繰り返すため、幼児期に感染することの多い疾患です。
 発疹と発熱が主症状で、発疹は有髪頭部を含め全身に多数出現し、口腔(こうくう)粘膜や目の粘膜にも見られます。最も多い合併症は皮膚の細菌感染で、「あと」が残るときがあります。アトピー性皮膚炎のある患者さんやケロイド体質の人は要注意です。肺炎、脳炎、小脳性失調症などの合併症もありますが、頻度は多くありません。妊婦が水痘を発症すると重症化するといわれており、胎児にも重大な影響を与えることがあります。
 現在アシクロビルという抗水痘薬で早めに治療すると、5〜7日ぐらいで軽症のまま治癒することが多くなりました。しかし、一度感染した水痘・帯状疱疹ウイルスは、水痘が治癒した後も体の中(神経節)に潜み続け、加齢、免疫低下などにより帯状疱疹を発症し、高齢者では頑固な神経痛を伴うことがあります。

 【予防のためワクチン接種を】水痘ワクチンは、日本で開発されたワクチンで、副反応も少なく抗体陽転率は90%以上の優れたワクチンです。
 発症した場合、約1週間の休園や休学が必要となること、将来帯状疱疹を発症するリスクが高いことを考えると、1歳を過ぎたら早めに接種することをお勧めします。現在米国などの先進国では2回接種しており、小学校入学前に再接種すれば、さらに良いです。また、水痘の患者さんと接触し感染の危険が高い場合に、接触後3日(72時間)以内に水痘ワクチンを接種すると、発症を阻止できるとの報告があります。
 60歳以上の方は、帯状疱疹とその後遺症としての神経痛を予防する方法として生ワクチン接種が有効なことがあります。ぜひかかりつけのお医者さんに相談してみてください。
(県医師会会員)


 



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