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老化とアンチエイジング
執筆者:柳沼信久(やぎぬまのぶひさ)
特定・特別医療法人福島厚生会
福島第一病院
消化器科部長
◆柳沼信久(やぎぬま・のぶひさ)さん=1949年郡山市出身。東北大学医学部卒。同大学第3内科、大原綜合病院胃腸科部長などを経て平成11年1月より福島第一病院消化器科部長に就任。専門は消化器科、糖尿病など。消化器病学会と内視鏡学会東北支部評議員。

抗加齢医学/予防医学を超えた新しい潮流

老化とは
 形態のあるものは時間の経過とともに内在する秩序を失って次第に劣化します。生体でも暦年齢とともにさまざまな部分が劣化現象を起こし、不可逆的に身体や精神(脳)の機能低下を起こしてきます。この不可逆的に蓄積された機能低下を老化(生物学的加齢)と呼んでいます。老化には個体差が目立ち、人によっては70歳でも50歳の心身を維持している人もいれば中年から80歳同然に老け込む場合もあり、そのさまざまな原因も明らかになりつつあります。

さまざまなレベルの老化
 細胞のレベルでの老化では活性酸素が注目されています。その強い酸化作用で細胞内器官が損傷を受けて細胞死に至るわけです。細胞そのものにも分裂増殖回数の限界があり、これが身体部位の維持限界とされており、このことが寿命と一致すると考えられます。
 全身に栄養と酸素を送る管状構造システムとしての動脈は特に重要で老化としての動脈硬化が動脈内部の狭窄や閉塞を起こすと脳、心臓、腎臓などの重要臓器の機能不全という二次的な老化をきたし、全身の老化として発現します。「人は血管とともに老いる」といわれるゆえんです。
 抗加齢に重要な副腎から分泌されるホルモンの分泌量の低下や免疫システムの機能低下も老化に伴って起きます。骨粗鬆症や皮膚、髪の変化も老化で発現します。
抗加齢医学とは
 老化によって右肩下がりに低下していくさまざまな機能低下を遅らせ、できれば低下なしに保ち、さらには機能を押し上げてみようというのが抗加齢医学です。それには老化がどのように起こるかについての研究が基礎になります。そして事実に基づいた抗加齢法を開発蓄積していきます。従来の医学との違いは「未病のうちに治す」、あるいは「より健康な状態に戻す」ということにあり超予防医学というべきもので、今後の医学の主流に位置付けられるものでしょう。
アンチエイジングの基本とアンチエイジングドック
 バランスのとれた食事(カロリー制限と体重適正化を含む)と適切な運動が基本で、これらが動脈硬化を防ぎますが、さらにビタミンやミネラルの過不足や有害重金属の蓄積なども知る必要があります。アンチエイジングドックではこれらの評価を行い、さらに活性酸素や遺伝子、動脈硬化や老化度を測り、老化に対抗する個人個人に最適な総合的な対策をとることができます。今後の医学を変える新しい潮流になるでしょう。知的活動とともに健全な社会生活を保ち脳の老化を防ぐことも非常に重要です。活性酸素を除去するサプリメントやミネラルの補給も常識化してきました。
 高齢人口の増加が少子化とあいまって国の存立に重大な脅威となっている現在こそ、自己責任で一人一人が自身の老化管理に真剣に取り組む時代になっています。不適切な生活習慣が糖尿病とメタボリックシンドロームを激増させている異常な時代です。不健全な老化とは何か、何がそれらをもたらすのかという知識が行き渡らなければなりません。アンチエイジングの潮流が各人の常識になるべき時代だといえるでしょう。

*アンチエイジングドックの詳細は、福島第一病院(電話024・557・5111)へお問い合わせください。

ME&YOU6月号より
 



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