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アンチエイジングの勧め

今月の執筆者
特定・特別医療法人福島厚生会
福島第一病院
心臓血管外科科長
なかお まさとも
中 尾 雅 朋 さん
◆中尾雅朋(なかお・まさとも)さん=和歌山県出身。平成2年3月大阪医科大学卒業。大阪医科大学胸部外科入局。平成10年12月米国コロンビア大学心不全センター留学後大阪医科大学、笹生病院勤務。その後、平成19年3月より福島第一病院 心臓血管外科科長として勤務している。日本循環器学会専門医、日本外科学会専門医、日本胸部外科学会認定医、日本医師会認定産業医。

夏にも多い急性心筋梗塞

血液の粘調度が上がることと関係/暑い時期は脱水に陥りやすく

78歳の男性です。疲労感を
覚え、病院を受診した
ところ急性心筋梗塞との
診断を受けました


 心筋梗塞とは、心臓の筋肉を栄養している血管(冠状動脈)が閉塞し、心筋に壊死が起こる状態をいいます。脳梗塞などほかの血管病同様、冬場に多いと思われがちですが、夏場にもう一つの発症のピークがあります。夏場には脱水に陥りやすく、血液の粘調度が上がることと関係があるといわれています。

心筋梗塞といえば
胸痛や胸が締め付け
られるという症状が
あると思うのですが?


 自覚症状として胸痛84%、呼吸困難が6%、意識障害が2%、動悸が0・4%と報告されています。しかし、肩こりや上腕部のだるさ、下顎の違和感を訴える方もいらっしゃいます。さらに糖尿病患者さんに多いのですが、無痛性心筋梗塞といい、自覚症状が全くない場合もあります。

高血圧と糖尿病で
治療を受けていて、
比較的血糖値も血圧も
落ちついていたのですが?

 高血圧・糖尿病・高脂血症(高コレステロール血症)・肥満・喫煙が心臓の筋肉を栄養している血管(冠状動脈)に動脈硬化を引き起こし心筋梗塞の発症を優位に上げることは知られています。受診時には正常血圧でも高圧薬内服前には異常な高血圧を認める方がいます。隠れ高血圧、あるいは仮面高血圧といわれています。この高血圧時に血管障害を引き起こすこともあり、注意が必要です。
 糖尿病コントロールの指標として、ヘモグロビンAlc(1・2カ月前の血糖の平均値を反映します)などが用いられます。これらの値が正常値であるにもかかわらず、異常な食後高血糖を示す方もいます。また、空腹時と食後血糖値の上下の幅の大きさと血管障害の関係を指摘する研究報告もあります。いずれにせよ、1つの指標だけではそれらがコントロール良好であったかは単純に評価できない面もあります。

閉塞している血管の
場所をカテーテルで広げて、
金属の筒を入れて
いただいたようですが?


 急性心筋梗塞の治療は一般的に時間との闘いです。冠動脈が閉塞し、心筋に壊死が完全に起こる前に動脈を再開通させます。血管閉塞部に血の塊(血栓)を吸引するカテーテル(管)を挿入し、血栓を吸引します。次に風船(バルーン)の付いたカテーテルにて動脈を拡張します。さらに広げた動脈の部分に再度狭窄が起こらないようするために網目状の金属の筒(ステント)をできる限り留置します。

今後気をつけることは
どのようなこと
でしょう?


 (1)再開通させた血管閉塞部が再び閉塞しないように血液を固まりにくくする薬(抗血小板薬・抗凝固薬)を医師の指示がある限り内服。
 (2)血圧・糖尿病など動脈硬化を引き起こす基礎疾患の治療をしっかりする。
 (3)リハビリを勧めます。適度な運動は、心臓自身にも新生血管の増殖を促し虚血に対しての耐用能を上げるといわれています。
 何よりも大事なことは、異常があればすぐに医師にご相談ください。

ME&YOU8月号より
 



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