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ハチに刺されると、ほとんどの例で刺されたところの発赤と痛みだけですが、中には急激に血圧が低下し、意識がもうろうとなったり、嘔吐などの消化器症状を呈する重症な症例もあります。ハチ刺されは子供からお年寄りまで、身近に起こり、症状も軽症から重症までさまざまです。ハチ刺されについて少し知識を持っているだけで、素早く対応でき、また、過剰に大騒ぎすることもなくなります。
ハチの種類 : 世界中でハチは13万種、日本には5000種いるといわれています。大半はヒメバチやコバチという、ほかの昆虫に寄生する小型のハチです。人を攻撃したり、刺して問題となるのはごく一部のハチで、スズメバチ類約10種とアシナガバチ類約10種の合わせて約20種ほどです。
ハチ刺されによる症状 : ハチに刺されると、刺された所に激しい痛みがはしり、その後、1週間ほど赤く大きくはれます。これを局所症状といいます。ハチの針からハチ毒が皮膚に注入され、このハチ毒の成分であるヒスタミン、セロトニン、カテコールアミンなどが痛みを感じる神経を刺激するためです。特に、セロトニンはヒスタミンより強い痛みを起こし、これを多量に含むスズメバチやアシナガバチに刺された場合、ほかのミツバチなどに刺されたときより、より強い痛みを感じます。一方で、刺されるとすぐに気分が悪くなったり、吐き気がするなど、刺された所だけでなく、体中に症状が広がる場合があり、これを全身症状といいます。全身症状はさらに2つに分けられ、即時に起こる全身症状と、遅れて起こる全身症状とがあります。特に、急に起こる全身症状には最も気をつけなければいけません。
急に起こる全身症状 : 全身に症状が生じるのはハチに刺された直後からで、ハチ刺されによる死亡者の多くは10分から15分の間に死亡しています。この症状をさらに詳しく分けると、次のようになります。
(軽い症状)刺された所以外に赤く腫れ(蕁麻疹)、飲酒をした時のように全身が赤くなる、全身にかゆみが起こる、何となくだるく、苦しいといった症状。この程度であれば治療に急を要しません。
(中くらいの症状)右記の症状に加えて、のどが詰まったような感じがして、胸が苦しくなり、口が渇き、口の中がしびれたような感じがする。下痢をしたり、吐き気や嘔吐をもよおしたりする。
(もっと重症)息をするのも苦しくなり、物が飲み込めなくなる。声がしゃがれて、目が見えなく、耳が聞こえなくなる。全身の力が抜け、その場にうずくまり、意識がはっきりしなくなる。
(さらに悪化)尿や便を失禁したり、手や足にけいれんを起こしたりする。意識はなくなり、血圧は下がり、脈はふれなくなる。この状態になると、一刻も早く処置を開始しないと、死亡してしまいます。死亡の多くは上気道の浮腫による窒息死です。この一番症状の重い状態をアナフィラキシーショックといい、即時型アレルギー反応によるものです。
ハチ刺されの治療 : ハチ刺されは多くの場合局所の痛み、発赤腫脹だけで、抗ヒスタミン軟膏やステロイド軟膏を患部にぬり、冷湿布をします。症状によっては抗ヒスタミン剤やステロイド剤を内服することにより、普通の虫刺されと同様に数日で治癒します。一方、全身状態を伴った例では、その重症度により、酸素吸入や抗アレルギー剤、ステロイド剤の点滴静注、血圧低下例に対しては、昇圧剤の投与も必要になります。局所症状だけであれば、放置しておいてもかまいません。しかし、全身症状が発症した場合は近くの病院で診察を受けるようにしてください。
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