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閉塞性動脈硬化症とは
今月の執筆者

特定・特別医療法人福島厚生会
福島第一病院
心臓血管外科部長・循環器科部長
透析室部長(兼)
おがわ ともひろ
小 川 智 弘 さん
 1966年三重県津市生まれ。福島県立医科大学、同大学院修了。県立医大心臓血管外科勤務を経て、ハワイ大学のストラウブ病院血管病センターに留学。平成12年9月より福島第一病院勤務。19年3月より心臓血管外科部長兼務。現在月、火、金の午前に外来診療を担当している。

四肢の動脈血流障害として発症も
全身動脈硬化の危険 適切な治療が必要

 閉塞性動脈硬化症とは四肢の動脈硬化により動脈の血流が途絶え、種々の症状を呈する病気です。

閉塞性動脈硬化症の症状は?
 症状は多岐におよびますが、手足が冷たいとか、歩行時に下肢の痛みが生じるとか、また手足に傷ができると治りづらくなったりすることから、安静時の痛み、潰瘍を認める場合があります。

どのように見分けるのか?
 まず、そのような症状が認められる場合は、足や手を触れてみて、実際に冷たいかを確認し、さらに足であれば、足の甲の部分に手をおいて、動脈の拍動があるかどうか見てみます。それで、どちらも当てはまる場合は、足の動脈血流が悪い可能性が出てきます。

診断法は?
 四肢動脈の触診にて検討をつけ、血流、血圧計により、下肢と上肢の血圧比により、下肢動脈血流異常の診断を行います。次いで、血管エコー、CT、血管造影などにて病変部の確認を行います。
 欧米では、閉塞性動脈硬化症と診断された患者さんのうち、40〜60%の方が心臓および脳血管疾患を合併しています。日本でも、閉塞性動脈硬化症の疾患構造が欧米化しており、その傾向は高いと考えられます。
 そのため、閉塞性動脈硬化症と診断された場合は、動脈硬化の原因となる糖尿病、高脂血症、高血圧や心臓および脳血管疾患があるかどうかを見てもらう必要があります。またそのまま放置しておくと、四肢の切断に至ることもあり、さらに専門医に相談することを勧めます。

治療法は?
 (1)運動療法は症状がない場合や軽度の場合では、第一選択となります。しかし、ただ家で歩いたり、ちょっとした運動ではなく、医師の指導のもとの専門的な運動が勧められます。症状が強い場合ではカテーテル治療や外科的バイパス治療が必要となります。
 (2)カテーテル治療は日々進歩しており、以前では外科的バイパス術が必要とされた場合でも、局所麻酔で、バルーンやステント(針金の籠のようなもの)を使用することで、1〜3日の入院でできるようになってきております。
 (3)外科的バイパス術は動脈閉塞している先に、人工血管か自己血管を使ってバイパスする、比較的確実な方法です。技術も進歩してきており、以前はバイパス術も困難とされた場合でも、工夫してバイパスが行われるようになってきております。また患者さんの身体的負担を軽減するために、カテーテル治療と外科的バイパス術を組み合わせることも行われております。
 (4)細胞移植、血管新生療法は、カテーテル治療や外科的手術ができない、重症例に対して行われることがあります。本治療法はまだ新しい治療で、今後の発展が期待されます。
 (5)理学的治療として足の機械マッサージや炭酸泉浴が行われることもあります。

予防は?
 動脈硬化を予防することにつきますが、具体的には禁煙、規則正しい食生活、運動などが挙げられます。
 最後に : 閉塞性動脈硬化症は四肢の動脈血流障害として、症状を呈してきますが、これは全身動脈硬化の氷山の一角であり、適切な診断および治療、予防が望まれます。

ME&YOU2月号より
 



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