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脳梗塞と高脂血症について
執筆者:浅野桂太郎(あさのけいたろう)

特定・特別医療法人福島厚生会 
     福島第一病院 名誉院長
     厚生会クリニック所長     
浅野桂太郎(あさの・けいたろう)さん=山形県出身、福島県立医科大学医学部卒業。山形市立済生館病院インターン終了後、福島県立医科大学病理学第一講座入局、竜ケ崎協同病院内科科長を経て、福島厚生会病院(現 厚生会クリニック) に勤務。平成5年同院院長就任。平成6年より福島第一病院院長就任。平成18年4月福島第一病院名誉院長、(兼)厚生会クリニック所長に就任。日本内科学会認定内科医、日本医師会認定産業医。現在毎週月・水・金曜日の午前、外来診療を務めている。

 日本人の死亡原因は、悪性腫瘍、心疾患が多く、次いで多いのが脳卒中です。脳卒中は発症しても死亡することなく、種々の治療を受けている方は非常に多いと考えられます。そうした方々の中には重い後遺症が残りその後の社会生活が困難となったり、家族の方にも大きな負担をかけることになります。寝たきりになって介護の必要となる種々の病気の中で、脳卒中は38・7%を占め第1位です。高齢化社会を迎える日本にとって大きな問題であり、その発症を予防したいものです。

 脳梗塞とはどんな病気でしょう

 脳卒中は基本的には脳血管障害により起こると言えます。脳卒中は大きく分けて、脳出血、脳梗塞、くも膜下出血に分類されます。この中で最も多いのは脳梗塞です。この稿では脳梗塞について述べてみます。脳梗塞もその発症様式によって、最も多いラクナ梗塞、近年、増加傾向にあるアテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓に分けられます。ラクナ梗塞は脳の動脆に血の塊(血栓) ができて起こる1.5cm以下の梗塞です。アテローム血栓性脳梗塞は頭蓋内および外側の太い動脈にできたアテローム硬化巣(限局的動脈硬化病変) により血管が狭くなり、そこにできた血栓が脳に行って起こる梗塞です。心原性脳塞栓は心臓の中の壁にできた血栓が脳の血管に詰まって起きます。心房細動や慢性の心不全などの疾患に伴って起こることが多いです。

 脳梗塞の原因は?

 脳梗塞の起こる原因につい ては近年たくさんの研究があります。脳梗塞は前項にも述べたように、脳や脳に達する血管の血管障害すなわち動脈硬化症によって起きます。人間は血管とともに老いると言われます。加齢によって動脈硬化症は進行しますが、さらにその進行を早めるものとして、成人病または生活習慣病、最近ではメタポリックシンドロームによるものであると話窺になっております。こうした提唱はそれぞれ共通したもので、高血圧症、糖尿病、高脂血症、肥満、喫煙などです。これらは老化や重い疾病の原因となる危険因子です。脳梗塞はこれらの危険因子が促進因子となって発症します。中でも高脂血症については、狭心症や心筋梗塞の発症のみならず、脳梗塞の発症の大きな原因になると言われます。

 高脂血症について

 血液中を流れる脂膚月には、コレステロール、中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸があります。コレステロールは細胞膜や大切なホルモンの原料となりますが、過剰になると動脈硬化症の原因になります。中性脂肪は人間の活動のエネルギーの源となります。使わないと皮下脂肪や内臓脂肪となりひいては動脈硬化症の原因となります。高脂血症には、糖尿病、肝臓病、甲状腺疾患、腎臓病など原因となる病気によって起こる続発性高脂血症、遺伝的な原因により起こる家族性高脂血症、原因となる病気のない原発性高脂血症がありますが、その原因はアルコール多飲、食べ過ぎ、運動不足などです。

 健康で過ごすために

 市民検診や職場検診などで高脂血症を指摘される方が多いようです。脳梗塞の原因は高脂血痕のみではありませんが、指摘された方は決して軽視することなく医療機関を訪ねてください。寝たきりにならないために、健康で働ける健康年齢を延ばすために。

ME&YOU11月号より
 



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