忘れていませんか?「歯の健康」

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 みなさんの笑顔と元気をサポートする「健康ジャーナル」。マブチ メディカル クリニック(東京・港区)の馬渕知子先生の「福島の食」でカラダを元気に美しく!!シリーズです。
忘れていませんか?「歯の健康」 
医師 馬渕 知子先生
東京医科大学医学部医学科卒業後、同医科大学病院皮膚科学講座に所属しながら同病院に勤務。その後、東京都港区にマブチメディカルクリニックを開設、現在に至る(院長)。内科学・皮膚科学が専門だが、あらゆる科と提携を結び、多面的に人間の体を総合的にサポートする医療を推進している。2012~15年「会津エンジン」講師。テレビ出演、著書も多数。
 

 店頭や広告など、ちまたにはクリスマス商品やおせち料理などが並び、1年の終わりが近付いているのを感じる季節になりました。そして、年末に向けて徐々に忙しさが増すうえ、グッと気温も下がり、何かと体調管理に気をつけたいのが11月です。

 こんな季節に注目したいのは「歯の健康」。歯とカラダの健康は、なかなか結び付かないかもしれませんが、実は「口の中」は健康にとって重要な存在なのです。11月8日は「いい歯の日」。いつまでも健康的でおいしい食事を楽しむためにも、今回は「歯」について考えていきましょう。

 歯は、健康なカラダの基本

 私たちは、しっかり栄養をとることで健康なカラダを維持することができます。しかし、カラダがどんなに丈夫であっても、歯がなければ栄養のある食事をとることはできません。そんな中で、1989年から始まったのが「8020運動」。80歳で20本の歯を残そうという運動です。20本の歯があれば、食生活にほぼ満足する生活が送れるばかりか、健康面でも役立つと考えられているからです。

 その成果が上がったのか、若者の虫歯人口は減少傾向にありますが、残念ながら45歳以上では80%近くの方が歯に何らかの問題を持っているというデータもあります。私たちは、どんどんと長生きになっていますから、それに合わせて、しっかり口腔内ケアもしていくことが重要です。

 虫歯よりこわい歯周病!?

 歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患。現在、20歳代で約7割、30~50歳代は約8割、60歳代は約9割の方が歯周病をもっているとされる生活習慣病のひとつなのです。  私たちの口腔内には、約300~500種類の菌が住んでいると考えられ、歯と歯肉の境目の清掃が行き届かないでいると、そこに多くの細菌が停滞し、歯周病へと進行していきます。

 最初は痛みもなく、歯肉の部分が赤くなったり腫れたりする程度ですが、放っておくと、歯を支える土台が溶けて歯がグラグラし始め、最後は抜歯をしなければいけなくなってしまう、とてもこわいものです。

 そして、さらに注意が必要なのは、歯周病が全身の健康にも影響を及ぼすということです。  歯周病が長期間慢性化すると、病原性をもった細菌が血液中に入ったり、食べ物と一緒に飲み込まれて、口から離れた心臓や肺など全身の臓器に行き着くことで、そこに病気を起こす可能性が高くなることがわかっています。

 歯ブラシ もうひと手間

 こまめな歯ブラシ習慣を意識されている方は多くなっているようですが、しっかり磨いているつもりでも、すみずみまで行き届いていないことも。そこで、歯ブラシに加えて、歯間ブラシや糸ようじ、口腔内洗浄液などを併用するのがオススメです。歯ブラシをする時間がない時や外出先などでも、ちょっとしたケアをするだけで、大きな違いが生まれます。

 酒かすで歯の健康!?

 虫歯の大きな原因は、ミュータンス菌などの細菌が歯の表面に張り付き、酸を産生して歯を溶かすことから始まります。進行すれば、歯の内側の神経部分にまで到達し、激しい痛みを伴うだけではなく、歯を溶かしてボロボロにしてしまいます。

 そんな虫歯と歯周病対策にオススメなのが、ビタミンB6と乳酸菌。  ビタミンB6は、歯の表面のエナメル質などを作っているタンパク質である「ケラチン」の生成に必要なビタミン。ビタミンB6をしっかりとることが、丈夫な歯の形成に役立つのです。そして、最近、幾つかの乳酸菌に虫歯菌や歯周病菌の減少に役立つ働きがあることがわかってきました。ビタミンB6も乳酸菌も一緒にとれる優れものが酒かす。福島県は酒蔵も多く、おいしくて新鮮な酒かすが手に入りやすい土地。寒い時期には、根菜類に鮭・鶏肉などを合わせた「かす汁」などが、カラダもポカポカになり相性の良いコンビです。

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 1年を健康で締めくくるためにも、口腔内をはじめ、日頃、忘れがちなカラダのすみずみまでケアしていきましょう。

11月号より