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 【 家庭でできる応急処置TOP
平成20年7月4日
大石剛資 医師       
耳鼻咽喉科の救急
耳痛やめまいのとき

 耳鼻咽喉(いんこう)科はあまりなじみがないかもしれませんが、大まかに言って首から上の部位で眼と頭の中以外の病気に対応する診療科です。今回から2回にわたって耳鼻咽喉科の救急について説明したいと思います。
 【耳痛のときは】耳の病気でもっとも多いのは急性中耳炎です。中耳炎とは、耳の穴のつきあたりに張っている鼓膜の奥の粘膜に囲まれた部屋(鼓室)の粘膜組織が炎症を起こした状態です。乳幼児から小学校低学年までの子どもに多く、カゼなどの上気道炎のあとに耳の痛みの症状が現れた場合、ほとんどがこの急性中耳炎です。
 内服薬のみで完治することもありますが、場合によっては鼓膜に穴を開けて膿(うみ)を出すことで治りが早くなります。高熱が続いたり、耳の後ろが腫れてくるような症状もあるときは、速やかに専門医の治療が必要です。通常の急性中耳炎のときに家庭でできる応急処置は飲み薬や座薬で痛みを抑え、耳周囲を冷却することも効果的です。
 痛みが治まってもなるべく早く耳鼻科を受診してください。乳児などは症状の訴えができないので、カゼの症状がおさまっても発熱や夜泣き、不機嫌が続けば、一度耳鼻科を受診した方が良いでしょう。
 乳幼児は鼻をかむことが自分では十分できないため、鼻水を器械で吸引してあげることで中耳炎の予防に役立ち、治療にも有効です。急性中耳炎は以前に比べて薬が効きにくい耐性菌が増えてきており、治療が長引くことも多くなってきています。治りが悪いからといっていろいろな病院を転々とするよりは、信頼できる耳鼻科で継続して治療を受けることをおすすめします。
 【めまいのときは】めまいを起こした場合に激しい頭痛、手足のマヒや言葉がでないなどの脳卒中を疑わせる症状がなければ内耳性めまいが考えられます。軽いめまいであれば安静にすることで軽快することもありますが、耳鳴りがひどく、聞こえが急に悪くなったり、吐き気がひどく食事が十分に取れない場合は入院による治療が必要です。判断に迷う場合には専門医で診察を受けたほうがよいでしょう。
 次回(18日掲載)は鼻、ノドの病気についての救急について説明したいと思います。
(県医師会員)

 



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