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 【 家庭でできる応急処置TOP
平成20年7月18日
大石剛資 医師       
耳鼻咽喉科の救急
鼻血やのどの痛みの対処法

 今回は鼻とのどの病気の救急処置について説明します。
 【鼻血のときは】鼻の内部はすべて薄い粘膜で覆われています。鼻血のほとんどは心配いらないもので数分で止まります。鼻血の8割は主に鼻の入り口付近の毛細血管が集中するキーゼルバッハ部位の粘膜が切れて出血を起こします。自然に止まらないものでも5分くらい小鼻を圧迫することで大体は止血します。鼻を圧迫する時は横にならずに座った状態で、ややうつむいた姿勢をとることが大事です。横になってしまうと、のどに血液が流れやすくなり、血液を飲み込んで気分が悪くなったり、血液がのどにたまって固まると窒息する危険があるからです。また、30分以上も止血しない場合や何回も鼻血を繰り返す場合は鼻の中の太い動脈が切れたり、高血圧、血液の病気(白血病、血友病など)、肝臓病などの病気や狭心症や不整脈、心筋梗塞(こうそく)などの薬(抗凝固薬)により出血しやすくなっていることが考えられます。こんな場合は治療のため耳鼻科で適切な治療を受けるとともに他の病気も疑われれば積極的に治療する必要があります。
 【のどの痛みの時は】風邪などの、のどの痛みはウイルスが原因のため抗生物質は無効で家庭での休養や安静、消化がよい食事を十分とることによって症状が良くなることが多いです。ただし、高熱を伴い、のどが痛くて飲み込めない、痛くて口を開けられない、横になると息が苦しいなどの症状があればそれぞれ扁桃(へんとう)炎、扁桃周囲膿瘍(のうしょう)、急性喉頭蓋炎(こうとうがいえん)などの重症な病気の可能性が疑われます。これらは細菌による感染から炎症を起こしたためで、抗生物質の点滴や場合によってはたまっている膿(うみ)を切開して取るなどの治療が必要ですので速やかに専門医に相談してください。症状を我慢していると病気が進行して深頸部膿瘍、縦隔膿瘍となり、命にかかわる場合もありますので注意が必要です。
(県医師会員)

 



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