じんましんや呼吸困難など
アレルギー疾患の応急処置の第2回はアナフィラキシーについてです。食物依存性運動誘発アナフィラキシーを例に挙げ説明します。
【アナフィラキシーとは】身体に異物が侵入した場合に、それを排除し自分自身を守るはずの免疫反応が過剰に反応してしまい、自分自身に有害な症状を引き起こすのがアレルギー反応です。このアレルギー反応が短時間(数分―数十分)に全身性に出現したものがアナフィラキシーで、皮膚症状(じんましん)や生命を脅かす呼吸器症状(ヒューヒュー、ゼーゼー、呼吸困難)や循環器症状(血圧低下、頻脈)などの全身症状が出現します。ハチ毒、食べ物や薬剤が主な原因となります。
【食物依存性運動誘発アナフィラキシーとは】小麦粉製品(パン、うどん、ラーメンなど)や甲殻類(エビ、カニ)を食べた後、30分―2時間して運動することにより、じんましん、呼吸困難、血圧低下などのアナフィラキシー症状を来す疾患です。10―20代に多くみられます。運動による腸管からの原因食物の吸収増加などが主な原因と考えられております。
原因食物を摂取した場合には、2―3時間は運動しないようにしましょう。近年加工食品にはアレルギーを生じやすい特定原材料7品目(卵、牛乳、小麦、落花生、そば、カニ、エビ)の表示が義務化されました。食品表示をチェックすることも大切です。
【アナフィラキシーが起こったら】治療は一刻を争うものです。直ちに医療機関で受診してください。最近このようなアナフィラキシー発症時にエピネフリン自己注射が行われるようになりました。過去にアナフィラキシーの経験のある方は主治医にご相談ください。携帯用エピネフリン自己注射薬(エピペン)をお持ちの方は、のどのかゆみや閉塞(へいそく)感、声のかすれ、喘鳴(ぜんめい=ヒューヒュー、ゼーゼー)、呼吸困難感など呼吸器症状出現時にエピペンを筋注し受診してください。普段から注射の使い方など緊急時の対応について主治医から説明をお受けください。
(県医師会員)
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