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平成21年2月6日
穂積彰一 医師   
泌尿器科の急性疾患
水分を十分に取って清潔に

 泌尿器科の急性疾患としては女性の方に多い膀胱(ぼうこう)炎があります。頻尿、残尿感、排尿後の痛みが主な症状ですが、血尿になることもあります。残尿感は膀胱粘膜の炎症による刺激からくるもので、実際にはほとんど残尿はありません。ですからおしっこが近いからといって水分を控えるのはかえってよくありません。
 また冷えたのが原因だと考え、痛みがあるときに入浴すると、細菌がまん延して腎盂(じんう)腎炎を引き起こし38度以上の熱が出ることがあります。もともと膀胱炎になるのは風邪と同じで、体調不良による免疫力の低下によるものです。生理の後や便秘、冷え、疲労などがあって来院される方が多いのです。
 排尿後、なんとなくすっきりしない感じのときには十分に水分を取るよう心掛けてください。急性ですから漢方薬はあまり効きません。
 男性の方に多いのは尿道炎です。淋(りん)菌による場合は排尿するときに痛みがあり、黄色い膿(うみ)がたくさん出てきます。性感染症ですから、目などを手でこすったりすると結膜炎になります。十分手を洗って清潔に保ってください。
 もちろん、完治するまでアルコール摂取や性交渉も避けなければなりません。クラミジアによる尿道炎も同じような注意が必要ですが、痛みや膿の排出が少ないので、かえって慢性化し前立腺炎になって治療が長期化することが多くなります。パートナーと一緒に早期に治療を受けてください。
 尿管結石は、男女ともに起きる比較的多い急性疾患です。突然、片側の脇腹または下腹部に急激な痛み(疝痛=せんつう)があって腰への放散痛があり、人によって強い吐き気を伴うので胃腸炎と間違われることがあります。目に見える血尿があれば診断は容易ですが、きれいな尿のときもあるので、レントゲンや超音波検査で確認することが必要になります。
 何度も結石を経験されている方は、常備に痛み止めの座薬を冷蔵庫に保管しておくと安心です。いずれの疾患でも専門医を受診し確認しておくようにしてください。
(県医師会員)

 



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