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 【 家庭でできる応急処置TOP
平成21年3月20日
菅野智行 医師   
不眠
原因を確認して対策を

 国民の5人に1人が、睡眠に何らかの問題を抱えているといわれています。今回は、「不眠」について説明します。
 【不眠が及ぼす影響】不眠による日中の眠気は、集中力の低下や判断力の低下をもたらし、仕事の効率を悪くします。いらいらしやすく、反応が鈍くなり、事故(交通事故や転倒など)が2〜3倍に増加します。生活習慣病が悪化したり、心の病気が引き起こされる場合もあります。何より日中の眠気は不快で、生活の質を著しく低下させます。
 そこで、不眠とつきあうコツとして、日常生活上の工夫や注意点を10項目にまとめてみました。
 【よりよい睡眠のための10の指針】(1)睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分(2)刺激物は避け、眠る前には自分なりのリラックス法(3)眠くなってから床に就き、就床時間にこだわりすぎない(4)同じ時刻に毎日起床(5)規則正しい3度の食事(6)適度な運動習慣(7)昼寝をするなら午後3時前の20〜30分(8)眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝や早起きに(9)夜中に目覚めて寝つけないときは、一時寝床から離れてみる(10)睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと、以上の10項目です。それでも不眠が続くときは、次に挙げる不眠の原因を確認してみましょう。
 【不眠の原因】(1)騒音や光、温度など生活環境の問題(2)不規則な生活や夜更かし、交代勤務など生活リズムの問題(3)心配事やストレスなど心の問題(4)アルコールや薬の副作用の問題(5)痛みやかゆみ、頻尿、せきなど体の問題(6)うつ病など精神科的な問題などが挙げられます。
 これら不眠の原因に応じて、環境の調整や生活習慣の改善、体の病気の治療、ストレス対処法などを行ってください。睡眠薬の服用も効果があります。最近の睡眠薬は副作用が少なく、医師の指示で正しく使えば安全です。
 なかなか改善しない不眠では、うつ病などの精神疾患や特殊な睡眠障害の可能性があります。この場合は専門医による診断と治療が必要となります。不眠で悩まれている方は、気軽に医師に相談してください。
(県医師会員)

 



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