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【生活習慣病TOP】
◇健    康    <2006.07.20>
あなたは大丈夫?生活習慣病 更年期と生活習慣病

適度な運動や禁煙を

 
更年期とは、女性ホルモンの分泌が正常に営まれ、妊娠が可能である「性成熟期」から女性ホルモンの分泌が低下、生殖機能がなくなる「老年期」へと移行する時期を言います。象徴的な出来事として閉経があり、洋の東西を問わず、ほぼ50歳前後にみられます。

 更年期になると、多くの方が「のぼせ、ほてり、発汗」などを訴えます。いわゆる「更年期障害」です。これらの他にも「肩こり、頭痛、不眠、イライラ、うつ状態」さらに「腹痛、下痢、便秘」など症状は実に多彩です。

 もちろんすべての方がなるわけではなく、その程度も千差万別ですが、この時期は高血圧症、高脂血症、糖尿病などの「生活習慣病」が発症する時期でもあります。

 コレステロールにいわゆる善玉と悪玉があることは、ご存知と思います。代表的な女性ホルモンであるエストロゲン(=卵胞ホルモン)は、この悪玉コレステロールを抑え、善玉コレステロールを増やす働きがあるのです。そのため卵巣の働きが落ちて、エストロゲンが減ってくると悪玉コレステロールが増え、高脂血症になるわけです。血中のコレステロールの値は、それまでは男性の方が高いのですが、50歳で逆転し女性が高くなります。悪玉コレステロールが増えると血管の内膜に沈着し、動脈硬化をおこします。動脈硬化は高血圧の、さらには心筋梗塞、脳卒中などの原因となります。

 エストロゲンには、骨の吸収を抑える働きもあります。骨は絶えず吸収と形成を繰り返していますが、エストロゲンが低下すると、このバランスが崩れ、吸収が進み、骨量が減少、骨粗しょう症となっていきます。ですから更年期を迎える年齢の女性は、適度な運動を取り入れた生活習慣の改善が特に重要になってくるわけです。

 また喫煙の影響は、女性の方がより強く受け、急性心筋梗塞の危険因子第1位は、男性では高血圧ですが、女性の場合、喫煙があげられています。まさにたばこは、「百害あって一利なし」ですね。

(県医師会会員・本田任医師)
 

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