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【生活習慣病TOP】
◇健    康    <2006.10.19>
あなたは大丈夫?生活習慣病 食生活が変わった原因は?

 今夜から見直そう

  
前回の続きとして、子どもたちの食生活が変わってしまった原因についてふれます。

    ◇

 子どもたちの食事が変わってしまった原因について考えてみましょう。

 まず、食事の内容が簡単になり、献立の数が少なくなってきました。昔ながらの「手作り料理」よりも調理品を買ってきて食べる機会が増え、肉類、脂肪の過剰な摂取となり、栄養バランスが崩れてきています。 主食(ご飯)、主菜、副菜がそろった食事がみられなくなり、今では旅館で出される朝食にのみ伝統的な日本の味が残っているだけかもしれません。

 次に、食事への関心が低くなってきました。「時間をかけて作る食事」よりも「子どもが食べたい物」へと変わってきています。更に習い事、塾通いのため、食事の時間が遅れ、コンビニエンスストアからのおにぎり、お弁当、カップ麺などですませてしまいます。食べるということは健康な生活を送るための行為のはず。単に空腹を満たすためのおやつ感覚になっていませんか。 

 最後に、食卓が変わってきました。家族そろってテーブルを囲んでの食事から、子ども一人で食事をすませる(孤食化)、同じもの毎回食べる(固食化)、あるいは家族がバラバラの食事をする(個食化)などです。かつて食卓はその日にあった出来事や話を通じていろいろな人間関係を学ぶ場でもありました。

 「おかあさんの作ったものは文句を言わず食べなさい」、「ご飯一粒でも農家の人は一年かけて作っているから残してはいけません」としつけをする父親もいなくなったのでしょうか。

 古代中国、周の時代には、当時の医者は4つのクラス、食医(食事治療医)、疾医(内科医)、傷医(外科医)、獣医に分かれていました。このうち病気にならない「未病」の状態で健康を維持させる食医が最高位(医)とされていました。また、最近話題の韓国宮廷を舞台としたテレビドラマでも、薬(漢方)と食事(料理)の両面から病気を治療していきます。まさに、食事の重要性(「薬食同源」)を考えさせられます。

 この飽食(豊食、崩食?)の時代に、また、目まぐるしく変わるファーストライフの時代に、私たちは将来を担う子どもたちと毎日の食生活について真剣に考えていかなければならない時期にきています。
 まずは今夜の夕食から。     

(県医師会会員・大根田実医師)
 

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