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【生活習慣病TOP】
◇健    康    <2006.11.02>
あなたは大丈夫?生活習慣病 骨・関節の生活習慣病

 
 運動不足や肥満原因

 生活習慣病とは、一般的に高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満などを指し、内科の疾患だと思われています。しかし整形外科医にとっては日本人の三大愁訴の腰痛、肩こり、関節痛などは、不良姿勢や誤った動作習慣そして運動不足からくる筋力低下や肥満が原因なのが多いと日ごろ痛感しています。

 世界保健機関(WHO)が、「脳血管障害の10年」に引き続き、2001年から「骨と関節の10年」と、骨・関節疾患に対する予防と治療の取り組みを提唱しています。世界的に高齢化が進行し、骨粗しょう症や変形性膝関節症などの有症者が予想を超えて増加していることが原因です。

 厚生労働省国民生活基礎調査でも、有訴者率の1位は腰痛です。腰痛は椎間板ヘルニアや骨粗しょう症などの疾患により起きますが、レントゲンやMRI所見がさほど悪くなくても、筋力が弱っていたり体重が重くて支えられないために、症状が強いことがよくあります。

 逆に画像所見が重症なのに、症状が非常に軽い患者さんもいます。運動歴があり、基礎筋力が備わっているかたはひどくならずに済むし、回復も順調なようです。若い時からの運動習慣が大切です。

 同2位は肩こりですが、原因としては頚椎疾患以外に、うつむきや猫背の不良姿勢、運動不足や同じ姿勢での同じ動作の繰り返しによる筋肉疲労などが近年多いように感じます。幼少時からの不良姿勢、ファミコンや携帯メールやパソコン業務など下を向いている時間が増えている証拠だと感じています。肩こりを感じたら、まずは専門医の診断を受けることが必要ですが、生活様式を変える工夫だけでも、肩こりから解放されることがよくあります。

 同第3位は手足の痛みですが、最近では肩関節痛や膝痛の患者さんが多くなっています。とりわけ変形性膝関節症は急増している感があります。これも肥満・運動不足に加え、膝を90度以上に曲げなければいけない和式の生活習慣も関連しています。

 今後は医療機関側でも、生活習慣から来る整形外科領域の疾病には、生涯スポーツとしてのメディカルフィットネスを奨励し、運動療法によるQOLの改善を指導するようになっていくでしょう。

(県医師会会員・金子大成医師)
 

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