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【生活習慣病TOP】
◇健    康    <2007.1.18>
あなたは大丈夫?生活習慣病 やせない原因は?

  肥満は生活習慣病の原因となっています。外来診療していると「食べ過ぎていないし毎日30分散歩していますが、ちっともやせません」と言う患者さんが結構たくさんおります。お話を聞くと確かにそれほど食べていないし運動もしているのですがほとんど体重に変化はありません。なぜでしょうか。

 これには私たちの祖先の飢餓の長い歴史が関係しています。食べ物が豊富になかった時代は生きていくために少ない食料を出来るだけ節約しなければなりませんでした。そのため食べ物が少しでも余れば脂肪として蓄え万一の場合に備えるような仕組みが出来たのです。逆に言えば、食べたものをすぐエネルギーとして使ってしまうような人間はすぐに死に絶えてしまったのです。ところが文明の進歩は著しく今では、食べ物がどこにでも豊富にあります。さらに食べ物を手に入れるのに野山を駆け巡ることもなくなりました。本来人間は、必死で身体を動かしてほんの少しの食べ物を摂っていてはじめて健康を維持できるのです。私たちの身体は少しくらい動かしてもカロリーはほとんど使わないようにできています。例えばマラソン(42・195キロメートル)を走った場合の消費カロリーは約2000キロカロリーです。脂肪1キログラムは約7000キロカロリーですので3回走っても脂肪1キログラムを燃焼することはできないことになります。

 もっと長く走ったら脂肪が減るのでしょうか。最初つらく感じたジョギングが一〜二カ月もすると楽になってくるはずです。これは同じ距離を少ないエネルギーで走れるように身体が進化したと考えられます。走れば走るほどますます身体は、より効率よくなります。さらに身体にとってエネルギーを無駄遣いするような組織は減らすようになります。筋肉は最もエネルギーを使いますからマラソンランナーが脂肪も少ないが筋肉も少なくほっそりしているのもうなずけます。こう考えて来ると中途半端な運動をするとむしろ太りやすくなる可能性もあります。ではどうしたら脂肪の少ない、しかも健康的な身体を手に入れることができるのでしょうか。次回この続きをお話ししたいと思います。

(県医師会会員・宇佐見啓治医師)
 

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