minyu-net

 
健康・医療 ホーム 県内ニュース スポーツ 連載 社説 イベント 観光 グルメ 購読申込  
 
【生活習慣病TOP】
◇健    康    <2007.3.1>
あなたは大丈夫?生活習慣病 肥満にならないために(上)

 
 乳幼児期から注意を

 最近、メタボリックシンドロームという言葉をさかんに聞くようになりました。この言葉が作り出される発端となったのは朝鮮戦争です、などと申し上げると驚かれる人が多いと思います。しかし、実際はかなりのきっかけを作ったのです。

 朝鮮戦争で多くのアメリカの若者が犠牲になりました。その若者たち(平均22歳)の実に77%の者の冠動脈(心臓を養う血管)に動脈硬化が認められたのでした。しかし、同時期に戦死した朝鮮の人や中国兵士には、このような変化はまったく見られませんでした。

 アメリカは、これに大変なショックを受け、動脈硬化がどうして起きるのかの研究に入って行きました。その後、血管の病気は高脂血症・高血圧等から来て、その根本は食事を含めた生活習慣にあるということがつきとめられたのです。

 高脂血症・高血圧の大きな原因となるものが肥満であります。今回は小児期から注意すれば成人肥満にならなくて済むと考えられる方法をお伝えしたいと思います。

 まず、肥満とはどういう状態を言うのでしょうか?小児期の肥満の判定には主に3つの方法があります。

 まず一つがカウプ指数(体重(kg)/身長(m)です。これは、成人に使われるBMI(Body mass index)と同じもので、乳幼児期の肥満の判定に適しています。次のローレル指数(体重(kg)/身長(m)×1000)は学童の肥満の判定に適しています。

 最後に肥満度で、これは(実測体重―標準体重)/標準体重×100(%)で求められます。具体的には標準体重が50キログラムの人が60キログラムだった場合に10キログラム(50キログラムに対して20%)オーバーですので、この場合は20%の肥満ということになります。20%以上を軽度肥満、30%以上を中等度肥満、50%以上を高度肥満と言います。

 成人肥満は、高血圧・高脂血症・糖尿病・脂肪肝といったメタボリックシンドロームの要素である生活習慣病を起こす頻度がかなり高くなります。

 次回後編は、乳幼児期の対応法についてお話し致します。

(県医師会会員・高橋亮一医師)
 

福島民友新聞社

〒960-8648 福島県福島市柳町4の29

個人情報の取り扱いについてリンクの設定について著作権について

国内外のニュースは共同通信社の配信を受けています。

このサイトに記載された記事及び画像の無断転載を禁じます。copyright(c) THE FUKUSHIMA MINYU SHIMBUN