minyu-net

健康・医療 ホーム 県内ニュース スポーツ 連載 社説 イベント グルメ 購読申込  
 

 【 女性の健康と赤ちゃんTOP
女性の健康と赤ちゃん
矢沢美穂子 医師       
【 高年妊娠について 】
30歳以上の出生率増加

 近ごろ結婚する年齢が高くなってきたため、初めて出産をする年齢も高くなってきています。昭和50年時は、第一子出産年齢は、25.7歳でしたが平成16年度は28.9歳と3.2歳も上昇しました。今回は高年妊娠(35歳以上の妊婦。30代後半〜40代で高齢というのは大変失礼な話ですが)ついてお話します。

 ■心配なこと
 母体の年齢が上昇すると、いろいろな心配が考えられます。初産の場合、35歳以上で帝王切開が増えるという報告があります。さらに子宮筋腫の合併が増加し、成人病といわれる高血圧や糖尿病なども合併しやすくなります。また染色体異常の赤ちゃんが生まれる割合や、流産率が上昇することは事実です。(30歳以下では流産率は約10%ですが40歳以上では20%を超えます)出産後の子育てには体力が必要です。さらに手伝ってくれるおばあちゃんが年をとってしまっている、など大変なことはあります。

 ■環境作り必要
 では30歳代後半過ぎたらもう子供は生まない方がいいのでしょうか。そうではありません。現在日本では毎年出生数が減少しています。しかし、30歳以上に限ると逆に増加しています。グラフは35歳以上の母親からの児の出生数です。(厚生労働省の統計より)35歳〜39歳では昭和55年に59127人だったのが平成16年には150222人と約2.5倍に、40歳〜44歳も昭和55年に6911人だったのが平成16年には18790人と約2.7倍と増えています。
 これからの少子化を食い止めるには、年齢に関係なく生んでみたくなるような環境作りが必要です。そのためには産科医は高年妊娠でも安心して出産できるよう十分な健診、社会的には保育園の整備などやお父さんの育児休暇などの出産後の周りのバックアップが大切となるでしょう。
(県医師会員)

 



〒960-8648 福島県福島市柳町4の29

個人情報の取り扱いについてリンクの設定について著作権について

国内外のニュースは共同通信社の配信を受けています。

このサイトに記載された記事及び画像の無断転載を禁じます。copyright(c) THE FUKUSHIMA MINYU SHIMBUN