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女性の健康と赤ちゃん
菊池辰夫 医師       
【 赤ちゃんの成長と発達 】
女性
1歳で独り歩きは50%

 1歳の誕生日になると、1升の米を子どもに背負わせて、その成長を祝う風習があるところがあります。しかし、1歳の子どもでも独り歩きできるのはその半数の50%に過ぎませんので、この行事を前にして、お母さんから真剣な悩みの相談を受けることもあります。
 赤ちゃんの運動機能の発達には大きな個体差があり、首のすわり、寝返り、独りすわり、はいはい、つかまり立ち、独り歩き、と進む順序は同じですが、その動作の完成期の「ずれ」はだんだん広がっていくものなのです。同じ年齢の赤ちゃんとどうしても比べたくなるものですが、この順序での行動が出来てくれば、一般には発達の問題はあまりないと考えられます。
 さて、赤ちゃんの成長という言葉の中には、身長あるいは体重の増加などの体の発育と体の各臓器の発達、そして心の発達が重なりあっておりますが、赤ちゃんの行動には、じっと見つめたり、ニコッと笑ったり、物を取ったり、指さししたり、そして言葉を話すといった行動が出来上がってきます。特に赤ちゃんの笑いは、その心の素直な表現でもありますが、お母さんを含めて保育する人の笑顔と優しい言葉掛けが大きな影響力を持っているものであります。
 なお、赤ちゃんの発育状態については、身長は1歳で生まれた時の1・5倍、4歳で約2倍になり、体重は生後3、4カ月で2倍、11カ月でほぼ3倍になりますので一つの発育の指標となります。従って、育児相談あるいは自宅で体重を測った時には、母子手帳に組み込まれている身長また体重の増加曲線に、その記録をプロットしておくと赤ちゃんの成長がよくわかりますし、病気の時には非常に参考になることがあります。
 思春期の男女特有の発育過程は別として、子どもの各臓器の発達は年齢に応じて徐々に成人と同じ機能に向かって発達していきます。しかし、神経系統の発達は、ほぼ10歳で成人と同じレベルに到達してしまいますので、人の運動機能の機敏性はそのころまでに出来上がってしまうということでもあります。それだけに子どもには体を使った活発な遊びが大切でありますが、そのスタートは赤ちゃんの時からの保育者とのかかわりが基礎になるものであります。
(県医師会員)

 



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